ヘタクソ! 2

<1/26の続き>

できれば明日、日曜日にしたかったけど・・・大事な仕事をすっぽかすわけにもいかないし、どうせならたっぷり走りたいし・・・結局、寒さがアタマのてっぺんに突き抜けていきそうな土曜の朝に、もぞもぞとベッドから這い出てきた。氷点下の朝、しかもマシンを積んでいないとなれば、どうしてもひとつひとつの動きは鈍くなる。珈琲が落ちるのを待っている間、居間の隅にある液晶画面が今日の天気予報を映し出す。薄暗い都心のビルの狭間で、暴れる髪を片手で押えながら「今日は凍える寒さになるでしょう」と、吹く風に目を細めて、キャスターの女性がうつむき加減にしゃべっている。か細い立姿に覚悟を決めて、冷気の詰まったガレージに降り、サッシのカギを開けてシャッターを上げる。外気とほとんど変わらないからか、空気はピクリとも動かず、さっき見ていた風は、ココには吹いてこなかった。KXを出し、CRFを出し、その順番でBongoに積んで・・・7時30分を回ってから目指す東の空は、朝焼けが静かに空へと消えていた。

<つづく>