枯れ草につつまれて 3

国道6号線をくぐるようにして、利根川の堤防へと上がっていく。西に傾きかけた太陽が、ぐんと高いところから白い光をふりまいている。たまにお役所の黄色いクルマが走るぐらいで、通りのない簡易舗装は、まっ平らできれいなままだ。ところどころ砂利道が残っていて、そこに入るたび、前を行く軽トラが砂埃をまい上げるけど・・・道は思いのほか広くて、まっすぐに延びていた。最後の舗装が途切れ、ゴルフコースの端を過ぎた辺りに、トランポと軽トラックが1台ずつ、並んで停められていた。いつの間にか強くなった風が、土手の上を川の流れに合わせるように駆けていく。キーを回してエンジンを切ったBongoが、激しく横揺れして、ゆっくりと開いた運転席のドアが、強い風に押し戻された。

枯れ草が覆う原っぱに、白っぽい砂の地面が縫うように続いている。ココは、kawaraのみんながホームにしているコースだったはずだけど・・・だいぶ手が入って、少し“延伸”されているような気もする。ただ、師匠のおススメはココじゃなくて、その先、川の近く。ココからはよく見えないけど、遠くに赤いマシンが停まっている辺りを指差していた。枯れたアシが無造作に広がって、冬の河川敷には明るい陽射しがはね返っている。強い西風の中に、さっきまでMX408を走っていたKXとCRFが揃って降り立つ。ニーブースを締め上げ直し、SIDIのブーツを履くだけで・・・準備は完了だ。「ちょっと行ってみる?」、師匠の誘いに後ろから付いていくと・・・アシを組み敷く前後のタイヤが、カサカサと乾いた音を立てていた。

<つづく>