枯れ草につつまれて 4

向かい風の中を、CRF150RⅡの後ろに続いていく。しばらく走って、草が刈られた広い場所に出ると、そこから右に切れ込む師匠。正面に、濃い藍色の川面が覗いている。倒れたアシの下には川砂が波を打ち、カチカチのMX408にはない、ふんわりした感触に何だか癒されてしまう。そのまま黙って付いていくと、明らかに人の手が入った砂の道が、右にぐるりと曲がっていた。乗り入れてすぐにテーブルトップがお出迎え。着地の斜面を下って、もう一度、右にゆるく曲がると道幅が一気に広がって・・・“本コース”が現れた。

直線の先に、左コーナー。すぐに下りながらの右カーブが待っていた。師匠が「あぶなく外に飛び出しそうだった」と話していたのは、ココかもしれない・・・。小さな二連ジャンプがあって、続く大きな斜面は“跳び下がる”シングルジャンプ。この角度・・・嫌いじゃない。師匠を見失わないように加速、ゆるく弧を描きながら、右へ鋭角に曲がる。「スピードも、結構出るし!」と言っていた直線を、言葉どおりに師匠が駆け上がっていく・・・。

ココも飛び出しちゃいそうだ・・・直線の終わりが大きく右に曲がっている。バンクもないから、一番外側のワダチを外すと・・・かなり、やばい。短めの直線が今度は左に曲がって・・・大外のワダチにうまく合わせて立ち上がる師匠。これだけアウトを走るCRFを見るのは初めてだ。「きっと好きなコースだよ!」、師匠がワタシに笑いかけた意味が、よくわかった。小さなテーブルトップに、ダブル崩れのジャンプを越えると・・・また視界が狭くなる。

左、右とマシンを傾け、抜けていくと・・・“フープス”と呼ぶにはトンがったコブが6つ、不揃いに連なっていた。止まりそうなくらいに速度を落として、それでも何度かオシリをかちあげられながら、どうにかやり過ごすと、やっと一周り。河川敷らしく忙しいコースだけど、イイ感じ。好きになれそうな気がする。

<つづく>