18Kからの眺め

読みかけの文庫を閉じて、RECAROのシートにもたれながら、窓の外を見下ろす。白い綿毛を幾重にも敷き詰めて、やわらかなうねりが、どこまでも続いている。やがてうねりは、どこからかなめらかになって、白い地平線のように広がり、視界の端までいって果てる。窓側の席を選んでもらって、ホントによかった。エンジンの音が多少耳障りだけど、それでももったいなくて、活字なんて追っていられない。地上8000mの大地は、時速700kmで後ろに追いやられているのに・・・まったく、ゆるやかで、不思議な気分になる。18Kからの眺めは・・・悪くなかった。