トンだ一日

まったく、とんだ誕生日だった。一晩過ぎても、右肩が痛いまま。湿布薬の冷たく痺れるような感覚は、ひさしぶりで、鈍くて深い疼きを撫でつけている・・・。

庭先で小さくほころび始めた菜の花。午前十時、薄く張った春の雲が晴れ渡るのを待って、その可愛らしい黄色に送られて、気分良く繰り出したはずなのに・・・まさかパワーステアリングのハンドルを回すのも嫌になるほど肩を痛めるなんて・・・思いもしなかった。煙霧とか、今まで聞いたことのない砂嵐にかこつけて、ひと足早く土手の上から降りていく。そう、matsunagaさんには、木に激突したことは内緒にして。

<つづく>