今日は、ネロちゃんは?(後編)

<4/30の続き>

MCFAJ大会の翌日、そして三連休の最終日・・・思っていたとおり、パドックに停まるトランポはまばらだ。そんな広いパドックを、奥からちょうど半分ぐらいのところで、パイロンが仕切っている。老若男女を問わず、モトクロスの“入口”を体験するにはうってつけの「ワンコインモトクロス」、パドックの半分とミニコースを使って開催されるのは、確か今日だった。一番小さなPW50からCRF100までが、そよ風とおだやかな陽射しの中、横一列に並べられていく・・・日和も良くて、“はじめて”の人にはうれしい朝かもしれない。本コースから微かに届く散水の音に、視線を移そうとしていたら・・・濃緑のハイエースを背にした姿が目に留まり、そのまま動かなくなった・・・。

白を基調に、鮮やかな青く小さな三角模様。それと同じ大きさの黒が重なるように配されたモトクロスジャージは、どこか見覚えのある雰囲気・・・。細身のカラダに大きめなジャージをダボッとかぶって・・・揃いのモトクロスパンツの足下は、ブーツじゃなくて普通のスニーカー。ワンコインモトクロスの先生だからもしかして・・・と見つめていた視線に気がついて、その姿がこちらに近づき、だんだん大きくなってくる。視力の悪いワタシにも顔がわかるところまで歩いてきて、にこりと笑ったレディース先生は・・・「junkoさんだ!」。もう何ヶ月ぶりになるのかな?ここのフープスで鎖骨を折ったと聞いてからだから・・・もう一年以上かも?でも、やわらかな笑顔はやっぱりそのままで、バックドアーを跳ね上げたBongoの荷室をのぞき込んで、のんびりと訊いてくる。

「今日は、ネロちゃんは?」

「おいてきちゃいました・・・junkoさんが来るなら、連れてくればよかった」

我が家の臆病者を、いつも気にかけてくれるjunkoさん。パドックにもクルマは少ないし、ホントひさしぶりに連れてくればよかった。カラダはすっかり良くなったようで、今日は積んでこなかったみたいだけど・・・「ようやくCRF150RⅡで走れるようになった」と笑って話してくれた。着替えるのもおっくうだったのに、これで少しは元気よく走れそうだ!

離れていく後ろ姿、真新しいTHORのウェアを見ていると・・・出逢ったばかりの、YZ85LWで駆け抜けていく姿が思い出されてしまう。junkoさんは、ブルーがよく似合う。成田に行けるかわからないけど・・・早く一緒に走りたいな。