イバMOTO#3～番外編～

傾いた陽射しに、東風がまた、強めに吹きはじめた。Tシャツの袖から伸びた腕が冷たくなってくる。ナノハナには寂しい表彰式にも、今日は華がある。人一倍、練習熱心なざりまま――408ファミリーの優勝に、saitoさんの声が、少しだけ高く響く。笑顔も隠そうとしない。チームメイトにコーススタッフ、そして愛する旦那“ざりぱぱ”・・・表彰台の一番高いところで、それぞれ感謝の言葉を重ねて・・・ざりままの“ヒーローインタビュー”は、プロ顔負けだ。両手を高々と上げて、記念撮影を狙うデジカメのレンズに、たっぷりの笑顔をこぼす――CRF150RⅡに乗り換えたときは、その重さと力強さにずいぶん手を焼いていたけれど・・・今日はYZ85LWで走っていた頃と変わらなかった。「ヘタすりゃ、フープスで抜かれるかも？」本気でそう思えるほどに乗れていたざりまま。「おめでとう！」の気持ちを乗せて、あらためて表彰台に拍手を送る。次に絡んで走るのが、今から待ち遠しいね！