夏練! 2

<7/16の続き>

最後の最後、軽井沢まで続く県道からの曲がり角に迷ってしまった。結局9時を回って、たっぷり3時間。梨園のまん中に建つコンビニを出たとき、助手席で「もう十分って感じだね」とryoが苦笑いしたほど。狭いbongoの運転席に座りっぱなしで、カラダも痛い。行く手では、おだやかな緑の斜面が山裾を這い上がり、その上で水色が澄みわたる。並んだ電信柱の濃くて短い影が、アスファルトに小さくゆらめいていた。

車線のない山道を、何度か切り返すようにして上っていく。最後の急坂を越えると、見覚えのある青いパドックに出た。管理棟の真横には、コースターが一台。その脇から横へ、普通サイズのトランポが4台、広めの間隔を同じように空けて並んでいる。バックドアは跳ね上がり、すでに降ろされたマシンに、陽射しが真上から注いでいる。その並びの左端に、クラッチペダルを踏みつけて、bongoをすべり込ませる。イグニッションキーを手前にひねり、運転席を降りると、さっきまでそこに居たはずの榛名の町が、はるか下のほうで白く寄り添っていた。ひさしぶりのアウェイな風は、高地らしく乾いていて、少し冷たかった。

<つづく>