夏練! 5

<7/22の続き>

走り出すまでは大人しくて、やる気もなかったようなryoが、やたらと走りまくる。途中でヘルメットをちょっと傾げ、先に上がったワタシを横に見ながら、目の前の上り坂を何度も駆け上がっていく。その勢いに誘われては、KXにまたがり、ふらふらとパドックを後にする。三連休の最終日、集まったマシンも10台に届かないから、コースの上は平和だ。色付きゼッケンのフルサイズに邪険にされることもなければ、何となくバラけて、ラインも速度も自由に走る。ryoのCRF150RⅡとは・・・先行すれば詰め寄られ、後ろに着けば逃げられて・・・の繰り返し。まじめに絡んで走るのはひさしぶり、なのにちっとも面白くない。「4ストのCRFだからかな?」、そう言われては、自分の“粗さ”に、よけいに腹が立つ。それでも、赤茶けた斜面を全開で駆け上がるのは、何もかもが後ろに吹っ飛んでいくようで、最高の気分だ。カラダ全体で加速に構える感覚だけでも・・・ここに来た甲斐がある。

<つづく>