2013 Summer 6/9

日本海には砂利の敷き詰められた海岸が多い。寄せる波と風とに削り取られて、アスファルトの左端が、垂直に紺碧へと落ちている。長い弧を描きながら続く、灰色の砂浜。白波が重なりあうように打ちつける太平洋の海を見慣れた目には、相変わらずなじみは薄い。砂がないおかげで、4mほどの海底も、はっきりと見て取れるほど透き通っている。そして今日は。佐渡随一の透明度を謳われる二ツ亀の海水浴場で、陽射しと海との間を行ったり来たり・・・海風に吹かれて過ごすつもり。

佐渡島の北端近く、名勝「大野亀」を通り過ぎて数百メートル、海水浴場ではなくキャンプ場の案内板に従い、県道45号線を左に折れる。最初に現れた「二ツ亀ビューホテル」の駐車場から先は、キャンパー以外は入場できない。目指す「二ツ亀海水浴場」は、さらにその先にある。駐車場の端から急坂を下りていくと、芝生の緑が平らに広がるキャンプサイト。ゆるやかな斜面の上からは、眼下の視界が開け、「二ツ亀」と呼ばれる奇岩が遠く海に浮かんでいる。その二ツ亀まで、かなりの高低差を結んでいるのが、急段のつづら折り。その石段の始まりに立ち、はるか下を見やると・・・足下からすうっと砂州が立ちあがり、そのまま二ツ亀に向かって細く延びている。その両側に広がる藍色の海には、夏の日が小さくきらめいていた。