2013 Summer 9/9

夜が更けても、夜明けが来ても、まるで気温が下がらない。この夏、はじめて扇風機を回し続けた夜。ざらついた“熱帯夜”が明け、すでに太陽も高くまで上がり、遮光カーテンの隙間からは細くまばゆい光の束が入りこんできた。閉め切った寝室がじんわり暑くなってくる。海風につつまれた佐渡では、ついに味わうことのなかった蒸し暑い夜。渋の温泉街でも、湯上がりの火照ったカラダだけはやり場に困ってしまったけれど・・・何もしないうちから、カラダのやり場に困ってしまう朝はツライ。重たいカラダをベッドから追い出して何とか居間に下りていき、1週間ぶりに自分の手で珈琲をおとす。三角の濾紙にメジャーカップで4杯、中挽きの珈琲をすくい入れてから、水をアイスコーヒーの抽出目盛いっぱいまで注いで、赤い電源スイッチを押しこむ。すぐにお湯が沸き、ゴポゴポと音を上げて珈琲の上に落ちていき、そのままポットに滴る。香ばしい匂いが部屋中に広がっていき、いつもの朝がやってきた。夏休みの最後、頑張ってdukeを引っ張り出そうか、佐野のアウトレットまで買い物に出ようか、それともエアコンの効いた居間に寝ころんで、ゆっくり昼寝でもして過ごそうか・・・どれを選んでみてもそれほど変わらない。とてもおだやかな一日になりそうな、そんな気がした。