あと二日

台風が去っていった夕空を見ていれば、天気予報なんて全く必要ない。まだ青の残る空を雲が三すじ、南から北へ走っていき、細長い腹は杏色に染まっていた。北風を受けて眺めているうちに、見る見る杏が溶け出して・・・西の空が一面、橙色に光り始めた。これで明日は、台風一過の青い空に違いない・・・。

はたして目が覚めた朝。藍がかった空に、雲の痕はない。そのまま窓を開けると、外の風がさっと舞い込んできた。鋭く乾いた冷気に、秋の気配がのっている。それもそのはず、今朝は10月中旬ごろの気温まで冷え込んだらしい。今まで開け放しても役に立たなかった窓ガラスを、手のひらほどに細めても・・・まだ涼しい風が流れてくる。季節ごともっていかれたような、そんな気がした。

――我孫子での仕事を終えて、“定時”よりも少しだけ早く外へ出る。半日過ぎても雲がわかない空に、月の薄い輪郭が上がっていた。あさってが満月だと言われなければ・・・みごとに丸くて白い、秋の月だ。ここからしばらく、晴れが続く予報。19日は・・・月見団子にススキといきますか。