やばっ! 5

<10/5の続き>

屋根の上に観覧用の木製チェアーを並べたトレーラー。その銀色の箱を境に、パドックは二つに割れている。入口に近いほうが、ココを“ネジロ”にしている、いわゆるフリースタイラー。そこから少し下がったところが、どちらかと言えば“ビジター”に割り当てられている風だ。10時をとっくに回っていて、そのどちらにも、それなりのトランポが集まっているのに・・・コースを走っているマシンは見えないし、窓を下ろした車内に排気音も響いてこない。このゆるい感じが、何とも“モトパーク森”。軽いあいさつをしながら、その砂利敷きのパドックへ降りていくと、先に着いているはずのニセmanabuの姿が、どこにも見えなかった。こちらも負けず劣らず、相変わらずゆるい。コースに“顔”を向けてBongoを停めて、キーを回してエンジンを切り、後ろに回ってバックドアーを開ける。待ちかねたryoが、たまらず荷物を外に出しはじめた。

<つづく>