You want the BEST. 3

<10/16の続き>

9時前に30台を越えて集まるのは、関東選手権とキッズのレースが続いているから。今日は端から「3クラス分け」、ミニモトは最後の組だから・・・9時40分が最初の走行時間だ。まだ1時間以上もある。あわてることもないし、のんびりと“主”のいないCRF150RⅡから、マシンを降ろし始める。uchinoさんのところまで行っていても、時間が余りそうなくらい。KX85Ⅱを降ろして、サイドスタンドをかませて・・・着替える前に、見知らぬトランポで埋め尽くされたパドックへふらついていく。

思ったとおりパドックの真ん中、見覚えのある軽トラからは、橙色のマシンが降ろされていた。まだ着替えていないuchinoさんが、歩み寄るワタシに気づき、思いっきり腰を折り曲げてお決まりの“ポーズ”を見せる。今日はkuboさんが一緒。その後ろに、ひょろりと長身にサングラス・・・こっちはkatoさんだ。この人と真っ黒なグラスは、まったく似合い過ぎて、恐いくらい。ちょっと街でお会いしたくない感じに仕上がっている。べらんめえなしゃべり口も良い味だ。そこだけ“ホーム”な感じを満喫して、気分良くBongoに戻ってくると、最初のクラスが支度を急いでいた。フルサイズのCクラスが走り始めて10分。まだクルマが列をつくっている受付に、小さな軽トラックが並んでいるのが見えた。

スネークヒルの縁から見下ろすと、迷うことなくBongoの横に、ryoの操る軽トラが入ってきた。確かに助手席には、髪を金色に染めたオトモダチの姿が覗いている。先に降りたryoがこちらに向かって手を上げ、後から降り立ったオトモダチが、uchinoさん並みにアタマを下げる。かつてない雰囲気のTEAMナノハナは、まんざらでもない。適当に挨拶をして回ってきたryoが着替えをすませると、もう9時30分を過ぎていた。すでにYZ85は、暖気の真っ最中。そのままnagashimaパパが吐き出す高い音を、ryoのCRFが追いかけていく。あわててKXのシートにまたがり、キックペダルを踏み下ろす。いつもより半音下がった音が、短いサイレンサーから飛び散った。濃いめの“チューニング”は、はたしてゴキゲンな旋律を奏でてくれるのか?期待半分、不安半分で、右手を大きくひねる。スネークヒルのてっぺんから、子どもたちのマシンが、かたまりで下りてきた。

<つづく>