冬の入口

漆黒の闇に、冴え冴えとした月が白く上がっている。下の半分がくっきりと浮かび上がり、辺りの星は、目を凝らしてやっと見つけられるほど。眩い月夜だ。街灯よりも、もっと白くはっきりと、往く小道を照らしている。そのまま見上げていると、暗がりに風が唸りをあげていた。北から吹く風は“木枯らし1号”の名残。去年から一週間も早くやってきた“冬の使者”・・・年ごとに苦手になるつめたい季節が、いよいよはじまった。ああ、寒いっ!