MC戦記(第1戦) 4

<1/29の続き>

FOXのモトクロスウェアに見知らぬ顔。そして、見覚えのないゼッケンが貼られたマシン。パドックには、いつもと違う雰囲気が漂う。朝が早過ぎて、どうにも落ち着かなくて・・・おぼつかない足取りで、スネークヒルの下り斜面を覗きに歩き出す。土曜日の夕方、雨が降る前にしっかりと散水されて・・・撒いた水がアチコチに溜まっている。フィニッシュジャンプの斜面も、チョコレートを撫でつけたようにしっとり光り、ココを知る人なら、マシンがどんな動きをするのかすぐにわかる程度の濡れ具合。ただ、マディじゃない。

昔話を散々聞かされた開会式が終わるか終わらないうちに、パドックがけたたましく響き、マシンが目覚め始める。はたしてグラスウールを取り替えたryoのCRF150RⅡは、上手く音を消してくれているだろうか?センタースタンドに載せられたCRFのステップに立ち上がり、勢いよく何度もキックペダルを踏み下ろすryo。心待ちにした排気音は、相変わらずの迫力だけど、「フルサイズよりうるさい!」と後ろ指を指されるほどではなくなった。苦労した甲斐は、あったようだ。あとは最後になって気がついた、エキパイを止めるはずの折れたスタッドボルト・・・残ったもう片方が、途中で折れてしまわないように祈るだけ。

<つづく>