Spring has come

白くとぼけたように広がる青空に、雲雀が一羽、うるさく羽ばたいている。ワイヤーに引かれ、ほぼ45°の角度で離陸したグライダーが、そのはるか上へと風切り音だけを残して飛んでいく。空気がまだ冷たくカラダをつつんでいても、昨日のように風は強くなく、Tシャツの上のジップアップパーカーに当たる陽射しはたっぷり温かい。一週間が過ぎたのに、思うように動かない左ひざをかばいながら、ゆっくりシロとネロを連れている――それだけで、軽く額が汗ばんでくる。遠く小さく、田んぼを掘り返す赤い耕耘機から、かすかな機械音が届く。足下の畑に並んだ菜の緑には、まぶしい光が宿る。おだやかな日曜日、ようやく春が来た!