初夏の軽井沢 3

<5/17の続き>

洗車場と受付小屋の間に、するりとした坂がのぞいている。急な下り、大小の砂利が続いたその先に、先週には無かったスターティングゲートが、土に埋め込まれるでもなく“ポン”と置かれていた。その前にKXを並べて、前の組、ざりぱぱの走るフルサイズクラスが、第1コーナーを左に折れていくさまを眺めつづける。“ホーム”を追われたファミリー、ざりぱぱ&ざりままに、こんな軽井沢の北のはずれで再会するとはね・・・。

開会式の明るい陽光に、見慣れたはずの笑顔が揺れていた。昔から付き合いの“良い”ざりままは、ワタシとは逆の右ひざを右の手のひらでさすっていた。転んだ拍子に、ヘンな角度にひねったらしい――「また、乗れなくなっちゃった」と、ざりぱぱから言い渡された“モトクロス禁止令”に、ペロッと舌を出す。7分丈のカーゴパンツに、白地に柄のロンT。しばらく私服のざりままにしか会えないのは淋しいけど・・・さすらいのナノハナには、二人の笑みが心地よかった。

<つづく>