初夏の軽井沢 4

<5/22の続き>

新車を下ろして1年半。それまで何もしていないサスペンションが、固くて豪快なアップダウンに挑む。一度きりの練習走行、たった15分の間に、ギャップに深くマシンが屈んで、ニーグリップの外れた左ヒザが、早くもゴキッとねじれた・・・。先週と同じく、一度だけなら少し待てば元に戻って、走っていると痛みにも気づかないほど。問題はカラダの痛みよりも、トラウマだ。深く、濃く、アタマに刷りこまれている、曲げることのできないヒザの痛み。左コーナーのクリッピング、左脚を路面に突き出すなんて・・・怖くて、とてもできそうにない。それなりに高めていた戦意が、うっすらと薄らいでいく。それでもレースプログラムは、よどみなく流れていき、ざりぱぱが“棚ぼた”の優勝を逃したことに肩を落としていたら、すぐに出番がやってきた。左脚を軽く引きずりながら、急坂をパドックへゆっくりと登っていく。左ヒザに手を当てていると・・・少しずつ、痛みが消えていくようだった。

<つづく>