7月の陽光に

薄い青に塗られた空と、そこから降るまばゆい光。暑く湿った朝ばかりを過ごしていたせいか、アスファルトに落ちた黒い影が、瞳にうれしそうに映りこむ。すっかり乾いた風は、街に音の輪郭を響かせて、通りを駆けるフレアスカートをさらりと躍らせた。ゴムのタイヤが路面を蹴る音も、耳のすぐ近くで聞こえる。膝も治りきらないうちに、腰まで痛めて・・・たどたどしく街を行く、そんなポンコツのカラダが、7月の風と光に満たされていく。海に山に、マシンを誘ってどこにでも行ける夏は、すぐそこにある――。