RESPONSE

朝から雨の土曜日。明け方、乾いたところものぞいていたアスファルトも、今はしっかり濡れそぼち、雲を抜けて届く光が、その表をうっすら白くきらめかせている。止みそうにもない雨に観念して、シロとネロを遅めの散歩に連れ出す。気休めの麦わら帽子に綿のTシャツで歩いていると、半袖から伸びた二の腕に、さらりと雨が触っていく。風にさまようほどの弱い雨。濡れても冷たいとか寒いとか、ちっとも気にならない。

灰色を薄く引いた空の下、右手と左手をバラバラに引かれながら家に戻る。汗と雨を吸ったシャツを着替えて、すぐにガレージの扉を開ける。昨日、ryoが引き取ってきてくれたKX85-Ⅱの“前脚”と“後脚”は、反対側の窓枠に立てかけられていた。夕べ、みやげ話に聞かされた“新型”KX85-Ⅱの出来映えの良さに、ちょっぴり色めき立ったワタシ・・・その瞳に、フレームにタンクとエンジンだけが詰まれた愛機が、さみしく小さく映る。

“時代遅れ”と、先端がまっ平らなフロントフェンダーを笑われて、それが返って「やる気」につながっていたはずなのに・・・ヒザをやってからというもの、だらしのない走りばかり。MCFAJの初戦、“ホーム”のMX408で表彰台に上ったきりで、後は、続くMX408でビリ、軽井沢でもオフヴィレでも表彰台どころか、ブービーの辺りをうろうろと、「まったく良いとこなし」できてしまった。

そろそろ気合を入れて、新型はもちろん、4ストロークの連中にひと泡吹かせてやらないと。新しく「RESPONSE」と書かれたステッカーが貼られた“両脚”を頼りに・・・目指すは二度目の表彰台、そして狙うは、その真ん中だ!