いつもの夏を

昨日の朝、バイクの上で目が覚めた・・・。

正しくはKX85-Ⅱのシートの上、めずらしくスターティングゲートを、バーの前から後ろに向かって、両足を交互にバタつかせながらKXを下げていく。薄く刻まれたワダチにリヤタイヤを合わせる暇もなく、すぐにバーが落ちた。ただ、少しもあわてていない。まあこの辺りで、ぼやっと起きてもよかったのかもしれない。

クラッチレバーを放した瞬間の、リヤサスペンションが縮んで後ろが下がる感覚。左側にできたわずかなくぼみに、一瞬、リヤタイヤが流れる――すぐにIRC製のiX-09Wがワダチの縁を掴まえた。タイヤ半本分ほどのわずかな動き。それが妙に生々しくて・・・ベッドの上で目を開いたときは、一体どこにいるのか、まったくわからなかった。

今年の夏は、どうにもバイクに乗らない日が多くてしかたがない。左ヒザの治りが良くなくて、思うように走れなかった夏も、もう終わりに近づいている。この無意識の感覚を忘れてしまわないうちに・・・そろそろ2ストロークの加速をカラダに思い出させないと。一度か二度、本気で一日中走るのも悪くない。残ったレースは3レース、表彰台に乗っかるためにも、過ぎようとする夏に、いつもの夏を・・・。