Ready to Race!? 2

<9/7の続き>

フィニッシュラインの先、赤いパイロンひとつとビニールテープだけで、ホームストレートの端にできた折り返し。フロントとリヤのブレーキを強めにかけてから、少し左に開くように立ち上がると、第1コーナーとそこからつながったテーブルトップジャンプの側面が迫ってくる。フィニッシュラインをまたいだら、いや、その手前の細かなS字を描くカーブから小さなテーブルトップ、そしてフィニッシュラインを白く記した尖がったコブをひとまとめに省略しても、誰も文句は言わなかっただろうに――とヘルメットの中、浅く嘆いてみる。一週間前にはなかったギミック、でもこの日、一番「乗れていた」のは、いかにもすべりそうな、この折り返しだった。

<つづく>