Walter Wolf 3

<9/27の続き>

京成線のお花茶屋駅近くにある営業所から国道6号線を突っ切って、立石の先で都道318号線、通称「環状七号線」に出る。先に交差点を右に翻ったのは、yabeちゃんの乗る初期型RG250Γ。角張った“奴凧テール”にやわらかな腰の線がよくなじんでいる。shoeiから伸びる長い茶色のストレートを、Walter Wolfとロゴの写ったジャケットの下にしまい込んで、白煙とともに加速していく。その後ろ姿に向かっていつものように右手を開くと、ゴロッと2本のクランクが転がりだして、レヴカウンターの針が真上に跳ね上がった。

エアクリーナーボックスを取っ払って、ヨシムラのDuplexサイクロンをはめた当時の愛機GSX400Xも、かなり尖がっていたけど・・・まったく違う切れ味で、フロントタイヤを浮かせたままyabeちゃんの脇を吹っ飛んでいく。バックミラーにはおびただしい白煙の中、かすかに四角いヘッドライトがにじんでいた。右手を返してもフロントタイヤが落ちるだけで、車速はそのまま。なつかしい感覚に浸っていると、ようやく250Γが追いついてきた。そして、2台並んで走るのもつかの間、すぐに連続陸橋へとさしかかる。側道を行くyabeちゃんとは、ここでお別れだ――。

ワタシが2ストロークマシンに帰るまで、それから3年待つことになる。GSX400XからRGV250に乗り換える、その日まで。

<つづく>