Walter Wolf 4(完)

<10/1の続き>

そんな500ΓWWのオリジナル、2年落ちのレーサーRG-Γ500 Walter Wolfを駆り、サーキットで挑み続けていた男の記憶が、それから15ページ続いている。“東海の暴れん坊”、水谷勝その人だ。“汚れた英雄”を追い立てる狼の姿は、「声を上げずにはいられない」と皆が口を揃えるほど、見る者の心をアツくしていた。モトクロス上がりのあきらめない走りは、suzukiらしさとなって、ワタシの中でシュワンツへと受け継がれていく。忘れかけていたsuzuki魂を、この雑誌は思い出させてくれていた。そして、“勝”の名は、ぼんやりした記憶に、はっきりと色を付けていった。

同じ名で、顔つきや目つきがどこか似ている。RM-Z250に乗っている姿が妙にしっくりきていたのは、こんなことだからかもしれない。今はKX250Fに乗り換え、MCFAJのレースではホールショットをいくつも数えて、表彰台に呼ばれることも多いざりぱぱ。ただ、“暴れん坊”と呼ぶには、KX-Fとの組み合わせはちょっと出来過ぎている。優勝か転倒か――暴れん坊なら、そのくらいの勢いがほしいけど、今のざりぱぱは走りにそつがない。「相性がよくない」RM-Z250と一緒だったときのほうが、よっぽど危なっかしい空気があって、勇ましく格好良かった。

今でも「緑は似合わないねー」と言われるワタシ。ざりぱぱがRM-Zに戻ることはないだろうけど、ワタシは黄色いマシンに戻れるものなら戻りたい。そして、ヒザのことも忘れて、思いっきり暴れてみたい。もちろん新しいホームコースで!