十三夜

月明かりが広がって、深い藍色の夜空に白い霞がかかる。星の瞬きも、碧い光に影を失くしている。雨と風が汚れを溶かして流し、澄んだ宵の空には、雲が西から東へ帯のように円く渡る。そして、月が潜れば、真っ白に透きとおり、ところどころ薄くひび割れていく・・・。

すっかり乾いたアスファルトに、黒い影が短く落ちる。She walks by moonlight. No one really knows・・・

口ずさんでいると、吸い込まれてしまいそうな妖しい十三夜。この輝きのまま、二日後には満ち欠けてみせる月。その夜は浅草、歌トモと隅田川に浮かぶ新月が眺められるかな?