ベスコンなのに・・・

“相性”というのが本当なら、北軽井沢にある山間のコースは、ナノハナには良くないらしい。

これで4度目になる昨日は、「今まで走った中じゃ、一番良かったんじゃないの」とryoが振り返るほど、喰い付きのいい路面。ただ二人とも、それすら味方につけることができなかった・・・。助手席でうたた寝するryoの右腕は、くの字にたたまれ、三角巾で胸元にしっかりと押し付けられている。楽しみにしていた“地区別対抗リレー”に出ることも適わず、しょげた顔のまま、静かに息を吐いている。朝からずっと雲のかからない空には、まだ緑を濃く残した山並みが映り、車窓に寄り添いながら過ぎていく。bongoのクラッチペッダルを苦もなく踏み込む左脚だけを、ほめてやりたい気分だった。