H2R 後編

<10/10の続き>

300ps超えの、まさにグリーンモンスターは、Kawasaki信者ならずとも気になるマシン。全身を緑に染めるのではなく、硬質な深いカラーリングにライムグリーンを効かせている。何といっても“過給器”付きというのがいい。むしろ“H2R”の横書きよりも“スーパーチャージド”の文字にざわつくワタシに、you tubeの高周波音に魅せられたryoが、“ターボ”との違いをしきりに訊いてくる。馬力を稼ぐ「やり方」の違いは知っていても味の方はわからないから、何も教えてやれない。初代alt worksが奏でるタービン音と、カラダをシートに押しつける瞬発力をかすかに覚えているだけだ。

どこか尖がったところを持つバイクが、次から次へと生まれていた時代。ターボエンジンやロータリーエンジンを積んだマシンも、堂々と公道を走っていた・・・。先代のH2Rは、そんなクルマのひとつ、suzukiのRE-5と同じ時代を生きている。そうした「時間」と限定解除の壁が、それらを遠くに追いやってしまって、乗り継いできたのはすべてNAエンジン。色んな「違い」にも疎いまま時代はめぐり・・・手の届くところに、怪物マシンが舞い降りた。公道バージョンには、乗れる資格だってある。味とか雰囲気とかに惹かれることもあったけど・・・この単細胞にはやはり、テッペンのマシンが気になって仕方がない。