Rojo-Tierra-

その話を聞いたのは、仕事納めの日。こう書いてしまうと、もう去年のことなんだとあらためて思う。営業マンの「今度!」と同じくらい、信ぴょう性のない話の繰り返しだったから・・・「今度」もそうだろうとあきらめて、ネットのニュースを見るとは無しに眺めていたら・・・「今度」ばかりは本当らしかった。

1996年(もう20年ほど前になってしまうのがびっくり!!)に、オリジナルKISSの再結成を知ったときのような、ただ、そのときよりは少し落ち着いていられる、おだやかな驚きに胸が騒ぐ。あちらは“あの”メイクさえすれば時の流れを越えていけるけど、こちらはそうもいかないはず。おまけに性別が違う。アンチエイジングが声だけでなく、その表情にも上手くのっていることを、小さく祈るだけだ。

スペイン語で赤を意味する「Rojo」、「Tierra」は大地。アフリカ風のダンスミュージックを想わせる楽曲は、休業する直前に彼女が好んだ、憂いのある旋律だ。その病的で危うい感じが、どこかエース・フレーリーに重なる。過ぎた時ほどには“経年変化”していないし、はにかむように微笑む顔には、あどけない可愛ささえ残っている。

ここまでくれば、完全復活の日はもう近い。さすがに“持ち歌”にするには、ちょっぴり無理があるけれど・・・“歌姫”として、再びその姿を見られる日が待ち遠しい。