I'm back! 1/2

西に大きく傾いた太陽が、フィニッシュテーブルに向かうゴーグルに映りこむ。逆光に沈む斜面、深く刻まれたワダチが瞬間見えなくなって、思わずブレーキペダルに右足のつま先を押し付ける。失速した2スト85エンジンの上、眼を凝らして、見えないワダチを探し続ける。左カーブのおかげで、路面に脚を突き出すことも叶わず、黒い斜面へ向かうKXに運を任せる。跳び上がるどころか、何とか止まらずにテーブルトップにたどり着くと・・・チェッカーフラッグが小さくたなびいていた。

<つづく>