曇りのち雨

止まらない、曲がらない、まっすぐ走らない。途中の「曲がらない」だけは、「曲げられない」と言うべきか――。

練習走行でパンパンに膨れ上がった太ももも、先行するレースを見ている間にだいぶ落ち着いて、左ヒザもたった15分では何も問題は無く、怪我していたことさえ忘れてしまうほどに動いてくれた。これでスタートさえ前に出られれば、ここをホームコースにしている連中に一泡吹かせてやれる・・・はずだった。そして、その伏兵は、空から舞い落ちてきた。

<つづく>