雨のあとの

昨夜の雨を残したアスファルトに、朝のヒカリがはじける。雲ひとつなくて、青く澄んだ空。渡る風の強さも、クルマの中にいては、そう気になることもない。濡れた路面の照り返しが、ただ、眩しいだけ。東に向いたフロントガラスが切り取る世界はハレーションを起こし、センターに並んでいるはずの破線も何もかもが、白く飛んでしまっている。巻き上げる水煙に汚されない間隔を保ちながら、前を走るミニバンの軌跡を、そっとなぞっていく。

国道16号線から離れ、慣れた裏道をつないで県道へと抜ける。途中、木立に囲まれたゴルフコースの脇を通りながら、淡々と東に向かう。そこを過ぎると、細く前へと延びていた空がぱっと広がり、視界が開ける。この辺りで半分、あとの半分はほとんどが農道だ。再び現れた太陽は、また少し上に浮かんで、通りも乾き始めた。まっすぐに射すヒカリが、木々の若い緑を突き抜けるようにして歩道を照らしている。日ごとヒカリが、きらめいていく。