0.01

極度の近視、それも0.1に届かない視力の持ち主にしか、見えない世界がある。人の顔には目鼻がなくなり、信号機は赤と青の花火になる。メガネやコンタクトレンズを外してしまえば、すぐにそんな世界が広がる視力を、ワタシは持っている。裸眼では歩くこともままならない、どうしようもない不安な感覚。そして、それと同じ感覚が、もうひとつワタシのカラダの中にある。カラダを支えるのはもちろん、そちら側を支点にして立つことも、振り返ることも、不安で怖くなる・・・。

0.01。今の左ヒザは、このワタシの視力と同じ世界を見せてくれる。その不安を隠せるのは、「助っ人外人」だけか・・・。