お疲れ様 3

受付を済ませてパドックに進んでいくと、ざり家のトランポが、陽差しの真ん中、銀色にきらめいていた。大きく反転して、その右横にBONGOを停める。目の前には白いMX408の文字、saitoさんが言うように、日向のほとんどは適当な湿り気を残した褐色を見せている。コースの一番奥、木々に包まれた左カーブだけが、べたついた泥のままになっている・・・きっと、そんな感じだろう。ドアを開いてパドックに立つと、ぎらっとしたヒカリが素肌に当たって、痛いくらいだ。「あれ?KTMじゃないの?」と、二人に揶揄されながら、オーバーホールが終わったばかりのKX85-Ⅱを、静かにパドックへと降ろしていく。

見慣れないトランポが居並ぶ中、林から降りてきて直角に左へ曲がるカーブの鼻先に、白いハイエースが映った。たたずむ青いマシンはYZ85、nagashimaパパの愛機だ。当たり前のようにヘルメットをかぶるその姿に、朝の挨拶とは別に、自然と深くアタマが下がる。見上げた視線を絡めたまま、コースに向かい目の前を横切っていくYZ。だらしない朝を叱られているような気がして、あわててBONGOの中から着替えを引っ張り出す。横でさりままも、すっかり支度を終えて、CRF150RⅡの暖機を始めていた。

<つづく>