のろまな果報者 2

<7/21の続き>

さすがに三回目ともなれば、二輪初心者じゃあるまいし、85SXの出力にも慣れてくる。そして気になるのは・・・どれも不都合なことばかり。そのひとつで、もっとも気になるのがサスペンション。それもKXやRM、CRFともまったく違う、リヤサスペンションの動きだ。ギャップで突き上げを食らうのは当たり前、よろしくないのが、ジャンプの跳び出し。いつもの調子で斜面で一瞬右手を戻し、ヒザを曲げて体重をかけるようにしてから、そのまま跳び上がる・・・と、必ず空中でフロントタイヤが下がって、いわゆる失敗ジャンプの典型で落ちていく。これは、かなり怖い。ただでさえジャンプが不得手なのに、これでは直線がいくら速くてもダメだ。

そんなのろまが、身振り手振りでジャンプの不都合をまくし立てると、uchinoさんが「オレとおんなじ、なかなか慣れないんだよね」と慰めてくれて、kuboさんは「高速のリバウンドを1回転締めて走ってみて」と教えてくれた。そしてもう一人、パドックではやわらかな表情を見せるnakaneさんが、着替えの手を止めて、ずっとずっと85SXのクセをゆっくりゆっくり話してくれた。フロントの強い剛性に比べて、リヤが今一つなのだというSX。付いているスプリングも、大人にはちょっと合わない。だからといってワタシには、CR85のバネを削って組み込む技術はないのだけれど・・・。

最終的に「そのうち慣れますよ」の一言に送られ、きつい陽射しの下、BONGOの後ろにたたずむ85SXへ向かい、歩き始めた。

<つづく>