小さな声援 6(完)

このままじゃ終わらない。

“ヒーロー”はステップに立ち上がり、前傾姿勢で加速をやり直す。そして、小さな声援をかすめてテーブルトップを跳び上がると、誰も居ない背中に向かって、ヘルメットをひねった。「かっこいいよ!」と声が聞こえた気がした。