真夏の最後に~隻眼の獅子編~ 3(完)

帰り支度を始めているハイエースの後ろから、「お疲れさまでした」と声をかけてみる。午前中で引き上げる、そのスタイルは、いつもと変わらない。すぐに振り向き、こちらに歩み寄っては「今日はバトルできたねぇ」とnagashimaパパ。ハンドルをぶつけ合ったことが面白かったのか、片目をしっかりと開いて笑っている。邪魔をしないように、また手合わせをお願いしてアタマを下げると、右手を挙げて、小さな背中がハイエースにもぐっていった。少し猫背で歩く後ろ姿、たくさんのことを教えてもらったnagashimaパパは、やっぱりこうして後ろから見つめているほうがいい。