雨上がりの明日には

キーボードを叩く音の輪郭が、大きくはっきりと聞こえてきた。さっきまで混じり合い響いていた雨音は、いつしか消えてなくなり、無機質な打音だけが、二つの耳にまっすぐに届いている。重たい遮光のカーテンを開き、レース越し、水滴ににじんだ出窓のガラスを指の腹でなぞると、黒いアスファルトのあちこちに、小さな水たまりが静かに散らばっていた。

結局、一週間のあいだ、BONGOの荷室に積みっぱなしになったCRF150R-Ⅱ。雨上がりの明日には、ようやく降ろして、泥まみれになってくれた労をねぎらってやれるだろうか。