はぐくまれるモノ 2

<11/7の続き>

無機質の、やけに高く感じる天井からは、自動車メーカーの紋章が深く垂れ下がり、足下には深紅の絨毯がやわらかに敷き詰められている。通路が広く取られているのは、余裕があってうれしい反面、どこか寂しさを感じてしまう。ゆりかもめの最寄り駅から中央の入口を抜け、連絡通路を渡って東館にたどりつくと、ようやく二輪車メーカーの意匠と造形がのぞけるようになった。どんなときにも、H・Y・S・Kの4つが揃ってくれる。それは日本のバイク乗りにとって、今までもこれからも、とても大事なことだ。その切っ先とばかりにKAWASAKIが、漆黒の基調のなかに、光沢のある緑をぎらつかせていた。

<つづく>