やっぱり・・・ 2

<12/19の続き>

マディ続きのMX408に、4ストマシンを持ち込んでばかりいたから・・・二つのタイヤが小石を弾くたび、ふわつく車体にカラダが身構える。右手の動きをそのままに、突き抜けるような吹けあがりを見せるエンジン。タイヤの接地感はさらに薄まっていく。大きく左に回って、第1コーナーと正対。一将祭のために上っ面の山砂をよけ、その後、一週間かけて水気をとばしたホームストレートは、ほど良く残った湿り気が、勢いにまかせた全開を上手く吸い取ってくれる。チカラではなく、エンジンの回転だけで加速していく感じが、ひどく懐かしい。

Rと大きなバンクに合わせながら、わずかに傾けた車体のまま、ブレーキレバーを強めに引いて入る。フロントフォークが素直に沈み、フロントタイヤは食い込むようにして、路面の底をなぞっていく。腰を引き、ステップに立ち上がっていた上半身をシートに落とし、リヤタイヤにカラダを預けて408コーナーに向かい、閉じていたスロットルを開けきる。加重がリヤタイヤを通して山砂に突き刺さり、半端に引いた上半身に迫るように、フロントタイヤが雄々しく立ち上がる。はるか昔、青信号を合図にアスファルトを蹴り出した感覚が、今よみがえる。

<つづく>