正しいウソのつき方 3

着地するやいなや、思いきりブレーキレバーを握ったからたまらない。フロントタイヤが真横に払われ、きれいになくなり、前に放り出されたワタシのカラダの上、黄色い車体がそのまま覆い被さってきた。すぐにAXOのブーツにくるまれた右足、その足首に鈍い痛みが広がる。地面からアタマを上げて痛みの走る辺りに流した瞳に、鉛色したTSのステップが映る。シールドを上げて目を凝らすと、それはいかにもブーツに突き刺さっているように見えた。遠くで、先輩に同期、そして後輩の声が騒がしく響いていた。

<つづく>