跳んだ

見慣れないCRF250Rに割り込まれて、林の中の切り返しをゆっくりと立ち上がる。まだタイヤに削り取られていない、きれいな跳び出しを横目に見ながら、いつものラインで段差を飛び降りた。ステップに立ち上がったまま、バックストレートからテーブルトップを三つ越えて、もう一度ホームストレートからやり直す。

2ストローク85ccが冷えてしまわないように回転を上げ気味にして、乾いた砂の上を気持ちよく跳ねていく。インフィールドの短い直線を折れて二つ、短くジャンプをいなしている間にギヤを3速に上げ、ひとつ大きく息を吐き、タイヤの痕が延びる日陰の坂に向かい、半クラッチを当てる。

<つづく>