4時間2分

中途半端に近づいた北の大地。旅情にひたるには、ブ厚い窓ガラスはあまり小さく、向こうの世界の匂いは届かない。せめて時間を潰す趣向でもあれば心安いのだけれど、旅費にも事欠く人間には、持ち込んだつまみで酒を呑むくらいが関の山。空の上で小さく我慢するのとも、海の上で途方もなくなるのとも、きっと違う時の流れ。いつか味わう日があったら、その中途半端をとことん愉しんでみようか。北斗星にもカシオペアにも乗れなかったのだから。