Last Dance

わずかに早く、ざりままのCRF150RⅡがsaitoさんのチェッカーフラッグをくぐる。静かに揺れる白と黒を、ステップに立ち上がったままの姿でフィニッシュテーブルの下から眺めて、ゆっくりと斜面をたどって上る。そこから反対側の斜面に下りる背中に今度は、けたたましい2ストロークをかき消すような野太い排気音が届く。出口で折り返すようにコースを出ていくゴーグルレンズに、同じCRF150RⅡ、#148をつけたtakadaくんのマシンが映り込む。ラストダンスを誰とも踊れず、中途半端な最後。それがまた、かえって引き寄せるきっかけに思えるのは・・・ワタシだけだろうか。

<つづく>