2年ぶりに榛名の夏 2

<7/30の続き>

芝の緑が平らに敷き詰められたパドック。そこから山の頂を巡るコースは、半分が木陰に包まれて、渡る風が夏でも肌に心地いい。

緩やかに上る長い弧線がパドックをなぞるように延びて、その最後にふたつ、シングルジャンプが用意されている。奥のそれは人を選ぶけれど、手前のひとつは上り勾配のまま全開で臨める豪快さだ。ここを走るだけでも、高崎インターから山を分け入ってきた甲斐がある。これを上りきると、今度は暗く湿った黒土が覆う、長い下り坂が待っている。

エンジンブレーキを当てにできない2ストロークマシン。薄く水気の張られた路面に右手は閉じたまま、くぐもった排気音を森の中に溶かしながら、ギャップだらけの坂をただ落ちていく。底についてから跳ね上げられるようにして上る斜面も、ほとんどタイヤのグリップを期待できない、乾いたラウンドの路面が続いていく。左に巻いて上るここを開けっ放しで走るには、ワタシの左膝はポンコツ過ぎる。

高低差をシケインのように細かな切り返しでつないで走りきると、ようやくスターティンググリッドが見えてくる。

<つづく>