Debut

雑木林の中をくぐり抜けるこのコースは、やっぱり気分がすぐれない。もちろんそれは、未熟な腕がそう思わせるのだけれど、固くいびつなギャップと中途半端に跳ばされ落とさせるジャンプに痛む関節と筋肉は、とても心地よいとは言い難い。それでも今日は、少しばかりうまく走れなくても、気にしないでいられる。特別な一日は、天の気まぐれ?そうではない。生まれついてヒカリの色を宿した、コイツのおかげだ。

<つづく>