封印 3

最後の坂を上り終えてパドックに出たときにはもう、空は青く晴れ渡り、太陽がまぶしく浮かんでいた。あふれかえるヒカリの中、黒く大きな書体で「SCRAPPY GIRLS」と描かれたトランポから、TEAMナノハナのお師匠さんがにこやかに手を振ってくれている。空と一緒に明るく上向きになっていく気分を感じながら、ゆっくりBongoを走らせる。にぎやかな数のトランポが、日向から逃れるように奥の木陰の中、ひしめいている。その狭くかなり奥まったところから、ワタシの泳いだ視線に合わせるようにkojimaさんが手招きをしている。そのままCaravanと、見知らぬお隣さんが広げるテントの間へと、Bongoのアタマを丁寧に潜り込ませる。左腕にはめた時計の針は、10時を回ろうとしていた。

<つづく>