サオダチ

コースサイドに一眼レフのレンズを見つけてしまったからたまらない。それまで左の指をレバーにかけずに斜面に向かっていたはずなのに。あれほど「半クラッチを使うな」の言葉を守り続けていたのに。邪で不埒なココロが無意識に左の人差し指を動かしてみせ、2ストローク85ccのエンジンがギュンと唸りをあげた。リップを勢い蹴り出すリヤタイヤ、やや遅れたカラダにフロントタイヤが空へと舞い上がり、このざまだ。そのまま車体を補正することも叶わず着地、おまけに半クラッチの禁を解いてなお、わずかに跳びきれず・・・ダメダメでまだまだなのは、ワタシの方だった。ああ、カッコ悪。