TATTOO

手首にまで延びたオフショルダー、赤のスパンコールはギリギリに短いタイトスカート。そこから目の混んだメッシュの黒いタイツが、足元の真っ赤なピンヒールに吸いこまれる。二つの手のひらで包み込めそうなほどに絞られたウエストが、女性らしい曲線を見事に表現して、それが隠された優美なふくらみを強く意識させる。これほど妖しく艶めかしい姿に、高校生だった時分は気がついていなかったというのだろうか。

四半世紀以上の時を経て、また、ステージに戻ってくるという彼女。置き去りにしてきた憧れが、時空の中に引き戻されようとしている。TVスクリーンの中、今は昔の艶姿に惑いは色濃い。時のながれは時に罪深く、けしてやさしいばかりじゃない。そしてワタシは・・・街に蔓延る哀れなアンドロイド、チープなレプリカント・・・。