外足荷重なんてクソくらえ

たしか、そんなタイトルだったと記憶している。今からもう、30年以上も前の話。老いらくの記憶ほど当てにならないものもないけれど、そこに書かれた教えは、今もカラダの中に生き続けている・・・良くも悪くも。

バイクブームと呼ばれる、今はもう思い出すこともできないほどの熱に冒されて、よく奥多摩の峠を走りに行った。ブレーキをギリギリまで我慢してからマシンを寝かせ、勢いよく立ち上がる。ただ、それだけのために。

テレビのゴールデンタイムにGPシーンが映し出され、本屋をのぞけば、あまたの雑誌が平積みに並べられていた時代。素人相手の指南本も数多く書棚に収まっていた。その本も、そんな一冊。日本人のGPライダーの著だ。

おかげでモトクロスに転身して10年、未だに外足にチカラを込めるのがうまくない。ステップから離れた足が時々、ゆるく宙をさまようこともある。いつか外側の足を使ってマシンを倒せる日がやってくるのだろうか。